「メタバース」とゲームの成長について

メタバース」次世代仮想空間とゲームの成長とは?

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(9) 【ゆっくり解説】メタバースとゲームの未来と本当の宇宙論 - YouTube

 

2021年7月Facebookのマークザッカーバーグ氏は「Facebookの未来はメタバースにある」と発言し、同年10月には社名を「Meta」に変更すると発表しました。

 

Facebookは今後2年間でメタバース領域に5000万ドル相当の投資を行い、その事業に注力していく方針を打ち出しています。

 

 メタバースとはインターネットが作り出す仮想空間のことで、今後数年でメタバースが一気に加速し私たちの生活にも大きな影響を与える可能性があります。

 

本記事では、人類のインフラ・生活を飛躍的に変える可能性を秘めたメタバースとは何か、それは私たちにどのような影響をもたらすのかということと、メタバースおよび仮想ゲーム空間サービスの今後の飛躍的成長について解説していきます。

 

 

[目次]

1.仮想空間プラットフォーム「メタバース」とは

2.メタバースの主要な要素について

3.すでに大人気のメタバース構想プラットフォーム

4.仮想ゲーム空間サービスの今後の成長について

5.まとめ

 

 

1.仮想空間プラットフォーム「メタバース」とは

英語名称metaverse(メタバース)とは、「超(meta)」と「宇宙空間(universe)」を組み合わせた造語です。

 

もともとはSF作家のニール・スティーヴンソンが1992年に発表した小説「スノウ・クラッシュ」に登場する架空の仮想空間サービスの名称でした。

 

その後、IT技術の進化によって実際に様々な仮想空間サービスが登場すると、それらの総称や仮想空間自体の名称として用いられるようになりました。

 

仮想空間にもう一つの現実世界を生み出す構想はこれまで数多くのSF映画で描かれてきました。最近では2018年のスピルバーグ監督作品「レディ・プレイヤー1」が描く仮想空間が印象的で、その仮想世界の概要を簡単におさらいしてみよう。

 

2045年の世界。人類はゴーグル1つですべての夢が実現するVRワールド[The Oasis]の世界に生きていた。そこは誰もがなりたいものになれる場所。そこは全方向性ランニングマシンに乗ってどこにでも行ける行き場をくれた。

 

「想像がすべて現実になる世界」で、何でもできる、どこにでも行ける、なんといっても「違う自分になれる」世界。イケメンにも強面にも違う性別にもなれます。思いのまま自分のアバターになれる世界で、食事と睡眠とトイレ以外は全部できる世界。みんなここで出会い、ここで友達になります。

 

いかがでしょうか、レディ・プレイヤー1の世界がやがて現実のものとなる可能性を考えるとワクワクするのは自分だけだろうか?

 

夢のような仮想現実空間「メタバース」は、娯楽的要素が強いバーチャル空間に止まらず、IT技術の発達とともにインフラとしての価値を見いだされるようになり、今やGAFAなど巨大ハイテク企業がメタバースの開発に乗り出しています。

 

メタバースは、インターネット上に構築された多人数参加型の3次元の仮想空間サービスで、将来的にインターネット環境が到達するであろうコンセプトです。

 

利用者はオンライン上に構築された3Dコンピューターグラフィックの仮想世界に世界中から思い思いのアバターと呼ばれる自分の分身で参加します。

 

相互にコミュニケーションしながら買い物やサービス内での商品の製作・販売といった経済活動を行ったり、そこをもう一つの「現実」として新たな生活を送ったりすることが想定されています。

 

 

2.メタバースの主要な要素について

 

メタバースは以下のような要素を軸としています。

・ほぼ無限に広がる仮想世界

・常時のライブ状態で現実世界と同期され、永続性を持つ

・人数無制限の同時アクセスが可能

・自律的に機能する経済圏が成立している

・プラットフォーム間・デジタルとリアル間の垣根がない

・膨大な数のユーザーによる管理・運営

 

完全なメタバースでは無限の世界が広がり、現実の社会と同じように多くの人たちが同じ空間をリアルタイムで過ごす「オン・オフ」のない常時ライブ状態です。人々は自由な場所でそれぞれの時間を過ごすことができます。

 

メタバースでは、全員がユーザーの分身となる「アバター」を持っています。アバターの見た目はユーザーの好みに合わせて好きなように自由にデザインできます。

 

ユーザーはプラットフォーム内で「アバター」を操作し、とくにゲームのようなシナリオの制約を受けずに自由に行動することができます。自分を含むすべてのユーザーがプラットフォームに加えた変化はリアルタイムで同期され、永続的なものとして残ります。

 

メタバースの世界では、現実世界と同じように個人や企業が商品やサービスを提供したりする仕事で収入を得ることができます。もちろん手に入れたお金でメタバース上の土地や不動産、車を買うなどの経済活動も行われます。

 

現状ではゲームにしろ SNSにしろその世界での経験やお金はそのゲームや SNS の中で

しか使うことができません。

 

プラットフォーム間で垣根がない世界とは、多様なシステムや場所間で連携できるということで、1つのアバターを使ってフォートナイトやマインクラフトでプレイし、インスタグラムに投稿し、ホライゾンで会社のミーティングに出席できるイメージです。

 

これによりユーザーはメタバース内でコンテンツを購入・消費し、それを別のメタバースや現実世界に持ち込むことができます。例えばフォートナイトをプレイして手に入れたお金でマインクラフトの道具を買うことが出来るイメージです。

 

メタバースの世界では、個人や企業などがより自由にコンテンツを制作し発信できる

ようになると言われています。ゲームや映像、音声などコンテンツの自由な制作や発信

は、今後メタバースが拡大する上で欠かせないテーマになります。

 

完全なメタバースの世界では、現実世界と遜色ない永続性と連続性によって、あたかも自分が別世界で過ごしているかのような感覚をもたらす。

 

そのため、メタバースは、現状のインターネットよりも制約なくコンテンツへアクセス可能な「インターネットの後継」になることが期待されています。

 

 

3.すでに大人気のメタバース構想プラットフォーム

 

完全なメタバースではありませんが、2022年現在利用可能なメタバース構想プラットフォームでも、商取引やゲームなど比較的自由な社会生活を営むことが可能です。

 

メタバースは、多くの人々を取り込むのに相性がいいゲームを中心としたエンタメの世界で先行しているのです。

 

すでに大人気のメタバース構想プラットフォーム3つを紹介します。

 

①フォートナイト(Fortnite)

フォートナイトは、2017年にリリースされてから3年で3億人以上のユーザーがアカウント登録した世界的に大人気のマルチプレイゲームです。

 

プレイ方法には、最後の一人になるまで戦うバトル・ロイヤルモード、自由な世界構築ができるクリエイティブモードなどがあり、最近ではパーティロイヤルモードが追加され、映画鑑賞やライブを楽しめるようになっています。

 

1つのゲーム内で戦い、遊び、コミュニケーションや経済活動まで行えることから、メタバース世界の構築に最も成功しているプラットフォームの呼び声が高いゲームです。

 

フォートナイトがゲームファンに圧倒的に人気があるのは、リアルの友達を含めた周りの友達・仲間がやっている、ハマっているため、友達とネット上ですぐつながり、一緒にインタラクティブにプレイできる点や、無料のハードルの低さ、インフルエンサーの愛用・実況動画の影響、大勢参加で1位を目指す楽しさ、派生コンテンツの充実などが主な理由として挙がられます。

 

②マインクラフト(Minecraft

マインクラフトは、3Dのブロックで作られた仮想世界で建物や冒険が楽しめる大ヒットゲームです。

 

多様な地形・気候があり、動物やモンスターがいて、岩を削れば鉄や金などを掘り当てることも可能。獲得したブロックを使って道具や住む家を作ったり、洞窟を冒険して遊ぶことができます。

 

勝敗を競ったり、達成すべきゴールなどは特に設定されておらず、「やりたいことは何でもできる」圧倒的な自由度の高さが魅力です。

 

現在、マインクラフトはMicrosoft社が所有しており、今後同社がメタバース領域に事業を展開していく入り口となる可能性があります。

 

③ホライゾン(Facebook Horizon)

ホライゾンは、Facebookが2019年9月に発表したオンラインVRプラットフォームです。ゲームが母体の従来型メタバースとは一線を画し、よりインフラに近い機能の搭載も進んでいます。

 

特に、ユーザーがアバターを通じて他のユーザーとコミュニケーションを深める機能に注力している模様。

 

2021年8月には、ビジネス上のコミュニケーション(バーチャル会議など)を目的としたメタバースサービス「Horizon Workrooms」を新たに開設しました。

 

FacebookSNSの次に台頭する市場としてメタバースに期待を寄せ、市場獲得のために積極的な開発を行っています。

 

ホライゾンは21年9月時点ではベータ版のみの提供ですが、SNSで圧倒的な利用者数を誇るFacebookが本格的にリリースを開始すれば、メタバースが一気に普及する可能性があるでしょう。

 

このように、現時点でも多くのメタバースプラットフォームが存在し、名だたる大企業がメタバース潜在的な市場を巡ってしのぎを削っています。

 

 

 

4.仮想ゲーム空間サービスの今後の成長について

 

2017年に米国エピックゲームズからリリースされた「フォートナイト」が、ゲームの世界からメタバースへと徐々にそのフィールドを広げています。

 

フォートナイトは、ゲーム内で集めた素材で壁、階段、屋根、床などを作ったり、それを改造したりできるクラフト要素のあるゲームです。

 

VRゴーグルは使用しないが、仮想空間の中で他のユーザーと交流するという特徴から

メタバースの一つであると言われています。

 

同じようにゲーム内でものを作ったり遊んだりできるマインクラフトも、徐々にメタバース空間へと広がっていくことが考えられます。

 

ゲーム業界のライブ化の象徴的な出来事といえば、2020年4月に「フォートナイト」で行われた、音楽家のトラビス・スコットのライブです。ゲーム空間内で行われたこのライブは1230万人もの同時視聴者を集めたと言われ、まさに史上最大規模のライブです。

 

トラビス・スコットが巨大アバターとして登場し、瞬間移動したりポーズや表情を変えて歌うコンサートで、周囲の多くの参加者アバターも一緒になって踊ったり自分の武器を振り回すお祭りでした。

 

仮想ゲーム空間は、もはやゲームをプレイするだけの空間ではなくて、コンサート会場にして人を集めたり、ゲーム内でチケットや関連グッズを販売したりできます。ファッションやNFTなどデジタルアートなどを売ることもできます。

 

第2章「メタバースの主要な要素について」でも触れたように、仮想ゲーム空間では個人や企業などが自由にコンテンツを制作したり発信できることで飛躍的な参加者の拡大が見込まれます。完全なメタバースでは人数無制限の常時ライブ状態となりますので当然と言えるでしょう。

 

1つのメタバース空間の中に、様々なゲーム空間、バーチャルSNS空間、ライブ空間などが無数に存在する垣根のない世界であるため、各々の仮想空間は相互に連携できることから、可能性は無限に広がっていくことが想定されます。

 

ゲーム業界の強みは、ゲームやエンタメが大勢の人々を取り込むのに非常に相性が良いこともありすでにメタバースでかなり先行していることです。

 

今後もゲームからメタバースへというアプローチは、ますます拡大していく傾向にあります。

 

ソニーグループは米国エピックゲームズに巨額の投資を行い、ゲームの枠を超える映像とメタバース可能性の研究にも取り組んでいます。

 

マイクロソフトは2022年1月に米国ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザード社を687億ドルで買収すると発表しました。

 

2020年に20兆円近くであった世界ゲーム市場は、2025年には30兆円規模になると予想され、もはやメタバースの大本命です。

 

巣ごもり消費もゲーム人気を後押しして、今や参加1億人超の億ゲーは世界で10作品を超えています。1位の米国「Among Us」や2位の米国「フォートナイト」など、スマホやパソコンで気軽に楽しめるインタラクティブなオンラインゲームが2022年以降もますます拡大しています。

 

すでにメタバース上では新しい世界が次々に作られています。メタバース上で生活するだけ、ゲームの世界で遊んでいるだけで稼げる世界がでてきています。

 

それがゲームとファイナンスから作られた「GameFi」です。その代表的なものが「ディセントラランド」でフォートナイトと同様にゲーム内で土地やアイテムの売買が可能で、これまでに企業のアート展示会や音楽イベント開催なども行われています。また「The Sandbox」というGameFiも開発され、これからは本当に「ゲームで稼ぐ」時代へと突入しつつあります。

 

 

5.まとめ

 

メタバースとはインターネットが作り出す仮想空間のことで、今後数年でメタバースが一気に加速し私たちの生活にも大きな影響を与える可能性があります。

 

仮想現実空間「メタバース」は、娯楽的要素が強いバーチャル空間に止まらず、IT技術の発達とともにインフラとしての価値を見いだされるようになり、今やGAFAなど巨大ハイテク企業がメタバースの開発に乗り出しています。

 

完全なメタバースでは無限の世界が広がり、現実の社会と同じように多くの人たちが同じ空間をリアルタイムで過ごす「オン・オフ」のない常時ライブ状態です。

 

そのため、メタバースは、現状のインターネットよりも制約なくコンテンツへアクセス可能な「インターネットの後継」になることが期待されています。

 

完全なメタバースではありませんが、2022年現在利用可能なメタバース構想プラットフォームでも、商取引やゲームなど比較的自由な社会生活を営むことが可能です。その代表例として、フォートナイト、マインクラフト、ホライゾンを紹介しました。

 

フォートナイトやマインクラフトは、すでにゲームの世界からメタバースへとフィールドを広げています。

 

「フォートナイト」で行われたトラビス・スコットのライブは1230万人もの同時視聴者を集めた史上最大規模のライブで、参加者アバターも踊ったりしたお祭りライブです。

 

仮想ゲーム空間は、もはやゲームをプレイするだけの空間ではなくて、コンサート会場にして人を集めたり、ゲーム内でチケットや関連グッズを、あるいはファッションやNFTなどデジタルアートなどを販売したりできます。

 

2020年に20兆円近くであった世界ゲーム市場は、2025年には30兆円規模になると予想され、もはやメタバースの大本命です。

 

すでにメタバース上では新しい世界が次々に作られていて、ゲームの世界で遊んでいるだけで稼げる世界がでてきています。それがゲームとファイナンスから作られた「GameFi」です。

 

GameFIの登場でメタバースを巡る開発競争は激化しつつありますが、確実に言えることはこれからは本当に「ゲームで稼ぐ」時代に突入しているということです。

 

このブログが皆さんのお役に少しでも立てたなら幸いです。